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1、棉の種抜
左の図は、収穫した棉を棉繰りロクロにかけて、種子を除く場合の様子である。右手でロクロを廻し左手で実棉をロクロに食い込ませ、棉は向こう側へ、種子は手前に残り膝先へ落ちる。木棉一反に要する二百匁(750g)の棉を引く時間は、およそ2、3時間程度要します。







2、棉打
棉繰りで種子を除いた棉は、これを棉弓にかけて塊やもつれているのを充分にほずき柔らげます。。棉弓は長さ四尺程の木製の大弓であって、大弓の中程より少し下を紐にて結びつけて大弓を吊ります。。大弓はこの竹のしなりで自由に上下し、左右するようになります。棉を打つにあたって左手で弓の胴の中程より下を打ち、右手に槌をとって、弦を棉に接触させながら槌の先の方に一重ひだになっているところで、弦の振動するように、こすり打ちに打ちます。その弦の振動でもつれた棉は、はじかれてほぐれ柔らかになります。
槌で弦を3、4回ベンベンと打ってはほぐれた棉を左右へはねよせ、次々とこのような作業を繰り返します。
普通200匁の棉打は、およそ2、3時間位かかって仕上げられていました。







3、「よりこ」を作る
棉弓にかけられた打棉は、糸につむぐために、まず「よりこ」という長さ約四、五寸の棒に棉を巻きます。
長さ六、七寸の細い竹の棒を左手に持ち、一升枡あるいは箱を伏せて台にし、その上に竹棒を芯にして右手で棉を棒に巻くようにして撚ります。
ローソク形の棉の棒が出来上がります。この芯にした竹を抜いて小箱に入れておきます。
二百匁(750g)をこの「よりこ」にするには普通2、3時間を要します。








4、糸つむぎ
よりこにしたら、次に「ツモ」にかけて糸をつむいでいきます。右手で車を廻しながら左手によりこを持ち、初めによりこの先を細くしてツモに巻き付け車を廻すにしたがって左手を後ろへ引きます。それと共によりこ棉はツモの回転によってヨリをかけられるので糸になります。
左手が後ろへいっぱいになったとき、車を逆に少し廻します。するとツモの先に巻いたところが解け、同時に少し左手を上方に上げツモの輪の方に糸をよせて右廻転に廻し糸になっただけ巻きます。巻き終えたらまたツモの尖端より車の廻転と共によりこを持って左手を後ろへ引いて糸をつむぎ出していきます。
二百匁のよりこはツモ糸25、6個となり、これをつむぐにはおよそ二昼夜位を要していました。







5、かせ作り
ツモ糸は、更にかせわくに巻いてかせとします。






6、糸を延べる
糸を延べる道具は両端に経台という3尺余りの太く厚い木に四本の棒を立てたものです。
糸を延べるには二尺余りの丸竹に、二本の箸のようなものをつくり、中程を削って穴をあけて用意し、糸枠より糸を引き出して途中の背の高さほどに吊った竹に糸の数だけ穴明銭へ糸を通し、更に先に作った竹箸の中程の穴から尖端の方へ通して経台へとりつけ、丸竹を箸のように右手に持ち左手に穴明銭より来る糸をあしらいつつ延べていきます。
縞物を織るときは、糸の色毎に延べます。これに糊をつけ糸が毛立たぬようにします。糊加減の善し悪しは織る仕事に関係が出来るので、糊加減は極めて重要なこととなります。
この糸延べ時間は、一尺分約6、7時間ぐらいを要します。







7、おさとおし
既に延べ終わった糸は、おさへと通します。
おさは寸間37〜70、一幅370〜400のものが多く用いられました。

 








8、機巻
おさへ糸を通し終われば「千木り」という機具に巻きます。まず櫛で糸のもつれをよくすき、おさを先へ進ませておいて、「機草」という長さは「千木り」幅、幅は五〜六分の竹べらをところどころにはさみ、糸のもつれの無いようにして「千木り」へ巻いていきます。
一反分の機を巻くのに「機草」は2、30本を要します。もし糸に糊が強いと、糸が周まり、糊が弱ければ毛立つので「機草」がそれを防ぎます。
一反の機巻は約5、6時間かかります。








9、機織
一反の機を織り上げるには、普通上手な職人で2日程度かかります。それも糊加減が悪ければ、上手な人でも4、5日から7日位かかります。
当時の人たちは計算的に糊加減するのではなく、ただ経験と手加減であったから、機にかけて織りかけてから糸が毛立ち、ついに縦糸が切れて織ることができず、途中でやむをえず鎌などで切り取ったということもあったそうです。一枚の木綿の着物も実に貴重なものであったのです。